猫と暮らす家づくり・注文住宅の工夫

 

1.はじめに

現在猫を飼われている方でも、これから猫を飼いたいと考えている方でも、猫との快適な暮らしを実現するための家づくりの情報は気になってしまうものです。自宅を住み替えたり、買い替えたりする理由はそれぞれですが、人とペットの生活環境をより良くしたいとを考えると家に求めるものも変化していきます。この記事では家で猫を飼う時に知っておくべきポイントについて解説していきます。

2.猫にとって危険なものとは

人間が暮らす住宅の中には、人にとっては危険でなくても、猫にとっては危険なものがあります。怪我をしたり事故に結びつくおそれのあるものは、猫の目につかないようにするなどの対策が必要です。

・電気コードやコンセント

猫はコード類が大好きで、本能的に電気コードを噛んでしまう事が多いようです。感電してしまったり、火災の原因になる事もありますので、専用のカバーで保護したり、コンセントキャップなどを利用するのがおすすめです。【家づくりのポイント】使い勝手と猫の動線なども考えて、コンセントの設置箇所を決めたり、配線が露出にならないようにするのがポイントです。

・輪ゴム、画びょうなどの文房具や雑貨類

文房具や雑貨などを誤って飲み込んでしまうケースがあります。輪ゴムや画びょう、クリップなど、誤飲する恐れのあるものは整理しておきましょう。誤飲してしまうと手術に至る事もあります。【家づくりのポイント】日常で使用する文房具などは出しっぱなしにせずに、猫の目につかない場所にしまっておきます。猫用の収納スペースがあると猫用のおもちゃ、フード類などを便利に収納できます。

・床暖房や暖房器具類

冬になると暖房器具を使用する事が多くなります。猫は床暖房などで低温火傷になる事もありますので、水分補給や温度調節などが必要です。【家づくりのポイント】電気代の削減もでき低温火傷のリスクが少ない床暖房などもありますし、床暖房などでは猫用にキャットウォークなどの逃げ場を作るとよいでしょう。

・窓やベランダなど

窓やベランダからの落下防止や、誤って外に出てしまい危険にさらされないように、脱走防止などの対策が必要です。【家づくりのポイント】猫用フェンス、パーテーションやネットを設置するなどで、落下や脱走を防ぐ事ができます。室内に猫が運動するスペースがない場合などで、ベランダを猫が遊べるようなスペースにしているケースもあります。

3.人と猫の防災対策を考える

もしも災害が突然起きてしまったらペットを守れるのは飼い主だけです。そこで防災対策についてご紹介したいと思います。環境省のペットの防災対策資料によれば住まいを災害に強くしておく事が人とペットの安全につながるとしています。この中では住まいの防災対策として下記があげられています。

【住まいの防災対策】
✔︎住まいの耐震強度の確認
✔︎家具の固定、転倒、落下防止
✔︎飼育ケージの固定、転倒防止(屋外飼育の場合は外塀やガラス窓の近くを避ける)
✔︎ケージなどペットの避難場所(隠れ場所)の確保

【ペットのための備蓄品】
✔︎療法食、薬など
✔︎5日間以上のフード、水、食器
✔︎予備の首輪、リード
✔︎飼い主の連絡先やペットの情報を記載したもの
✔︎ペット用シーツ、トイレ用品、好きなおもちゃ、においのついたタオルなど

災害時でも安心して過ごすためには、日頃からの準備が大切です。まずは住まいの耐震強度の確認と、家具や飼育ケージの固定などから初めてみて下さい。

4.猫の老化も視野に入れてあげよう

人もペットも一緒に年齢を重ねていきます。病気にかかりやすくなったり体調を崩しやすくなりますので適度な運動をしたり、生活しやすい環境を整えておきたいところです。室内や猫用トイレなどはできるだけ段差を少なくしたり、滑りにくい床材にしたり事故を防げるような安全対策などもにも気をつけてあげましょう。

5.注文住宅で猫と快適に暮らす

数年前に話題となった猫目線での「猫の十戒」ですが、最初の第一戒と最後の第十戒は猫の最後について書かれています。家族の一員でもあるペットは最後まで責任を持って看取ってあげて下さい。

・第一戒 私の寿命は10年~15年ほど。私があなたのも元から去るときには、あなたはとても辛い思いをするかもしれない。
・第十戒 最後に旅立つ時は、そばにいて私を見送ってね。あなたがそばにいれてくれれば、私はそれだけでいい。

人にとって住みやすい家でも、猫にとっては住みにくい家という事もあります。人の暮らしも大事にしながらペットの安全な暮らしを守るのは、注文住宅ならではです。これからの時代は、人にもペットにもやさしい家が注目されてきます。災害にも強く、人にもペットにもやさしい家について見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。