生産緑地の2022年問題で不動産相場はどう動く?  
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生産緑地の2022年問題で不動産相場はどう動く?

目次

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1.はじめに
2.生産緑地とは?
3.生産緑地の該当面積・地域
4.生産緑地法とは?
5.生産緑地の2022年問題とは?
6.2018年施行の「特定生産緑地制度」とは?
7.生産緑地の2022年問題で不動産相場はどうなる?買い時は?
8.まとめ
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1.はじめに

東京オリンピック以降に不動産相場が変動するのではないかと言われている「生産緑地の2022年問題」。キーワードとなるのは1992年に生産緑地法によって制定された土地制度の1つである「生産緑地」です。世間で注目を集める「生産緑地の2022年問題」とはどのような問題か、また2022年以降の不動産相場はどう動くかについて、法改正の状況などを踏まえまとめてみました。

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2.生産緑地とは?

生産緑地とは1992年の改正生産緑地法により指定された市街化区域内の農地として保全することを主目的とした土地のことであり、一定の条件を満たす土地に相続税の納税猶予や固定資産税などの税制優遇を受けられる代わりに30年間の営農義務が課せられるというものです。一定の条件とは、「農林漁業の生産活動ができるか(日当たりなどが適しているか)」や、「病院や公園、緑地などの公共施設やその他公益性の高い施設の敷地を供する土地として適しているか」、「面積が500㎡以上であること」、「当該農地の所有者とその他の権利者全員が同意していること」などです。生産緑地に指定された土地は30年間売却や転用はできませんが、生産緑地として指定された日から30年経つと市区町村に時価で買い取りの申し込みができます。また、宅地化農地は市街化区域内の宅地化を目的とした農地のことであり、生産緑地と違って営農義務がない代わりに宅地並みの税金が課せられます。

市街化区域内の生産緑地と宅地化農地の違い

 

区分 宅地化農地(生産緑地以外) 生産緑地(保全農地)
固定資産税の課税 宅地並み評価
宅地並み課税
農地評価
農地課税
相続税の納税猶予 納税猶予なし 納税猶予あり
終身営農で免除
建築等の制限 特になし 30年間建築制限
農地転用の制限 原則自由 原則自由

3.生産緑地の該当面積・地域

生産緑地は平成30年3月31日時点で59,671地区、12,525ヘクタール存在しています。これは東京ドーム2000個を超える広さであり、30坪の住宅に例えると約130万戸分にのぼります。生産緑地の該当地域は東京都を中心とする、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪府が全体の約8割を占めており、東京都だけでも全体の面積の4分の1である3,000ヘクタールを占めています。ちなみに、東京都内の生産緑地は八王子市が一番多く、八王子市だけで242.5ヘクタール、次いで町田市が232.1ヘクタール、立川市が206.7ヘクタールの順になっています。

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4.生産緑地法とは?

1970年代に初めて制定された「生産緑地法」は、都市計画において農林漁業との調和を図るために指定された制度であり、良好な都市環境を作り上げていくことが目的でした。しかし、市街化区域が定められたことにより緑地や農地が宅地として売り出され、急速に都市化が進んだことにより、土地の地盤保持や保水機能が失われるという問題なども発生しました。1991年には長期間営農することで課税を農地並みとする「長期営農制度」が廃止され、その対策として1992年に施行された生産緑地法では、目的別に農地を「生産緑地」と「宅地化農地」に分け、「生産緑地については農地並み課税を継続する」こととなりました。

生産緑地の2022年問題で不動産相場はどう動く?

5.生産緑地の2022年問題とは?

生産緑地は営農義務を課せる代わりに30年間の相続税の納税猶予や固定資産税の税制優遇を与えられていましたが、30年間を過ぎると優遇処置は受けられなくなる代わりに、市区町村に買取を申し込むことが可能になります。しかし、実際は市区町村が買い取る可能性は低いとされており、買取されなかった土地は売却できるようになります。そのため、1992年に指定された生産緑地のほとんどは2022年でタイムリミットを迎え、生産緑地が市場に大量に売りに出されることで、地価の暴落や都市部の宅地化が進むことにより緑地が減少するなど多くの問題が懸念されています。これが「生産緑地の2022年問題」と言われています。

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6.2018年施行の「特定生産緑地制度」とは?

生産緑地の30年間の営農義務が解除されるのは全体の約80%であるとされていますが、果たして一気に売りに出されるのでしょうか?実はそれを防ぐために2018年に生産緑地法が改正されました。改正された法の中で新たに「特定生産緑地」の指定が受けられるようになり、更に10年間の税制優遇受けられることとなりました。また、これまで生産緑地の必須条件として農地の面積は500㎡必要でしたが、都市部にしては広すぎることから300㎡に変更となり、更にこれまで生産緑地内には何も建設できなったルールが緩和され、第三者に農地を貸し出すことや、収益を得られるレストランや施設も併設すること、獲れた作物を製造・販売・加工することが可能になりました。

生産緑地法の改正前と改正後の比較

 

区分 生産緑地法(今まで) 特定生産緑地制度(改正後)
農地課税が適用される面積 500㎡以上の農地 300㎡以上の農地
生産緑地地区内の行為制限 営農に必要な施設のみ設置可能 直売所、農家レストラン等が設置可能
生産緑地の買取申し出 30年経過により市区町村に申し出が可能 申し出可能時期を10年先送りにできる

7.生産緑地の2022年問題で不動産相場はどうなる?買い時は?

2018年に施行された特定生産緑地制度によって、従来から危惧されていた生産緑地の2022年問題に対する混乱も少なくなるのではないかと予測されますが、今後の不動産相場はどうなるでしょうか?その鍵となるポイントをまとめてみました。

1)生産緑地の放出は限定的
特定生産緑地制度により更に10年の猶予を得られるため、生産緑地が一気に売却される可能性は低くなったと思われます。しかし、農業を継続するための後継者問題もあり、生産緑地のあり方なども時代と共に法改正などによって変わってくることも予測されます。生産緑地をめぐる動向は今後もウォッチしておいた方が良いですが、数年前に話題や噂になった生産緑地が大量放出されるといった問題はかなり限定的になり、大きな混乱が起きる可能性は低くなったと言えるでしょう。

2)2022年に不動産相場が下落することを過信しない
生産緑地の2022年問題が話題になる中、2022年以降は地価が下落してその時が不動産購入の狙い目と考える意見もありました。確かに一部は生産緑地が宅地化される可能性はありますが、大量放出される可能性は低いと思われるため、生産緑地の宅地化が起因して地価が大きく下落するということはあまり過信しない方が良さそうです。地価の変動は景気動向や人口の増減、再開発などさまざまな要因がありますので、それらと併せてトータル面で買い時を検討する方が賢明と言えるでしょう。

3)立地の良い土地は影響を受けにくい
仮に生産緑地が大量放出された場合、マンションデベロッパーなどが土地を購入しマンションなどが供給過多になり、地価が下落するというシナリオもありますが、仮にそのような状況に至ったとしても、立地条件の良いエリアの地価は安定しているため、2022年以降の地価動向が気になるようであれば、資産価値を考慮して立地の良いエリアで不動産購入することがおすすめです。

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8.まとめ

「生産緑地の2022年問題」をめぐっては、あらゆる意見がありますが、不動産購入は買い時を逸してしまうことが最も残念なことかもしれません。その買い時を判断する決め手としては、市場動向を予測して購入する考えもありますが、居住用不動産の場合には、ライフイベントであったり、家族の生活スタイル変化であったり、いわゆる人生の転機が買い時と言えるのではないかと思います。もちろん、地価は変動しますので、地価や金利などトータル面でベストなタイミングで購入できればベターですが、そのタイミングで必ずしも良い物件に巡り合えるとは限りません。地価の動向などは気になるかと思いますが、あまり気にしすぎると最適なタイミングを逸してしまう可能性もあるため、自分のペースで不動産購入を考えてみることをおすすめします。

 

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